やるせなす

E美さん

昔同じ職場にE美さんという人がいました。

目がぱっちりと大きくて、おしとやかな感じの人でした。

ちょっと上品な感じに見える人で、わりと仲良くしていました。

お昼をよく一緒に食べたりしていたのですが、そのときにE美さんが不思議な体験を話してくれました。

E美さんはたまに用事で渋谷にいくそうなのですが、渋谷にいくと必ず、同じ場所で同じ人が立っているのだそうです。

渋谷の交差点の所に、スケボーを持った青年が立っているというのです。

たまたまそのスケボー青年が渋谷で毎日うろついているんじゃないのと、私は言ったのですが、それは違うんだというのです。

その青年は膝を怪我していて、膝から血が流れているのだそうです。

そして会うたびにいつも同じように血が流れていると。

しかも何年にも渡ってみているのだそうです。

それはありえないことだと言っていました。

たぶん霊だと思うけど、それにしてははっきりと普通に見えているし、昼間だというのです。

それは不思議だねって二人で話していました。

それから何年かたって、テレビをみていたら、その話をやっていたので私は驚愕したのです。

やるせなすというお笑いの一人の中村という人が、渋谷で膝から血を流しているスケボーを持った青年の霊の話をしていました。

なんとその青年の霊は中村の家までついてきてしまったそうです。

それで家にずっといるようになり、ある時家に帰って中村が電気を付けたら、青年の霊に「遅いっ」て怒られたと話していました。

たぶん見ていた人は中村の作り話だろうと思った人もいたでしょう。

まあ霊に遅いって言われたのはどうなのかわかりませんが、そのスケボーを持ち膝から血を流している青年というのは、E美さんの話とおんなじです。

私はE美さんにこの話をしました。

そうしたらやっぱりあれは霊だったんだと、納得していました。

それにいつごろからか見なくなっていたので、その中村っていう人についていったんだねと言っていました。

E美さんはなんか謎が解けてすっきりした様子でしたが、私は怖かったです。

おそらくそのスケボーの青年は、いろんな人がみていたのかもしれませんね。

E美さんとやるせなすだけに見えたってことはないでしょう。

でも渋谷のスクランブル交差点ですから、たとえ見えていても、関心もなく通り過ぎてしまっているのでしょう。

それはそれで怖いですが。

それからE美さんは職場をやめてしまい、私も連絡もせずにそのままにしていたら、連絡もとれなくなってしまいました。

もしもこの記事を読んで、私がE美さんかもしれないという人がいましたら、ご連絡ください。


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